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2015年3月号 「宝塚教会のみなさんへ」
主任司祭 パスクアル・サオリン・カマチョ神父

今年の司祭の異動の報告をした時、みなさんを驚かせてしまって、申し訳ありませんでした。
 実は、去年の夏休みから帰国することを考え、松浦補佐司教様、自分の教区の司教様、スペイン宣教会の仲間と管区長に相談して、色々なアドバイスをいただいて、去年の11月に決定しました。

 1992年に司祭に叙階され、外国で宣教するために2000年に自分の教区から離れました。日本に来る前にマドリードとロンドンで勉強して、2001年9月18日に日本に到着しました。それから今まで、色々な体験をしました。最初に八尾教会と布施教会に住んで、日本語学校で日本語を勉強しました。卒業してから、武庫之荘教会と園田教会の主任司祭に任命されて、2007年に姫路西ブロックに異動しました。その後、2009年4月に宝塚教会に来て、今日までみなさんのために働きました。司祭として一番長い期間ですから、決して宝塚教会のこの6年間を忘れることは出来ません。

 しかし、自分の教区から離れて15年間が経っているので、心の中で帰国する時期になっていることを深く感じています。もちろん、これは自分の宣教の段階ですから、終点ではありません。みなさんがご存知のとおり、私は教区司祭ですから、私の宣教司牧は両端にまたがるブリッジのようです。それは私の教区と日本です。私の本当の終点は神のみ国です。しかし、人間として故郷があるし、使命の国もあります。自分の故郷を大切にしないで、どうして働く場所を大切にすることができるでしょうか。

 去年、大阪教区の大司教様が変わられてから、私の決定は承認されました。今は宝塚教会から出るためにいい時期だと思います。新しい司祭は、継続する評議会に助けられて、新しい大司教様と共に、新生計画をリニューアルすることができると思います。私が発表する2週間前にカレンガ神父様の名前を聞いた時、本当に宝塚教会のためにいい司祭であると思いました。

 帰国の報告をしてからみなさんの寂しい気持ちを聞いて、私もとても寂しくなりましたが、一緒に過ごした道を神様に感謝しましょう。しばらく私たちの道は離れても、神のみ国のためです。この体験を別れるためではなく、もっと強く結ばれるための時間に変えましょう。私は故郷から離れて、故郷ととても強く繋がっていることを感じました。これは不思議ですが、本当です。イエス様が教えてくださったとおり、神様はいつも百倍にして報いてくださいます。私は1049人の信徒を失いますが、1049人の友人を得られます。みなさんは一人の司祭を失いますが、一人の友人を得ることができます。

 帰国したら9月まで色々な場所に行きたいと思います。聖ヤコブの道をもう一度歩いて、2回目の巡礼をしたいです。また長い黙想会に参加したり、夏休みには海の教会で協力するつもりです。そして、今年の9月からはマドリードにあるサマランカ大学のキャンパスで、2年間の研修をします。「司牧の神学」を勉強して、修士を得るために頑張ります。この勉強の中で修士論文が必要ですので、「日本の教会の司牧の計画」について研修したいと思っています。まだ決定ではありませんが、この課題でしたら、研修のために多分来年、日本に戻ると思います。

 とにかく、無事に勉強が終わったら、私は司祭職の25周年を迎えますので、その時は、自分の使命を推進するためのいい機会になると思います。私は若くはありませんが、夢はまだまだたくさんあります。みなさんは私の夢の大事な部分になってくださって、感謝します。故郷の人々が私のために祈ってくれると同じように、4月から、宝塚教会のみなさんも友だちとして祈ってくださったら嬉しいです。
お願いします!みなさんの祈りは私の力と喜びです。私も必ずみなさんのために祈ります。

 後2ヵ月残っていますが、四旬節は早く終わります。来月の巻頭言はカレンガ神父様のために作りたいので、今月の巻頭言はみなさんのために私の心からのメッセージです。気持ちのまとめとして、3つのことばを贈ります。日本語の中で、多分もっとも美しいことばであると思います:

ごめんなさい: 私の考え、ことば、行い、怠りによって、みなさんを傷つけたり、悲しみ、戸惑い、いやな気持ちを起こさせてしまっていたら、心から謝ります。神様は私が誠実にみなさんのために働きたかったことをよく知っていますが、人間として罪があるし、弱点もいっぱいあります。どうか、私を赦してください。私は心から本当に至らなかった気持ちを捨てて、和解の心を持って帰国したいと思います。
お願いします: 先に言ったとおり、今一番必要としていることはみなさんの祈りです。私は一人では何もできません。日本に来るために、応援してくれた人がたくさんいました。司祭は一人で頑張らなければならないのです。司祭は人間として、弱いものですから、信徒に愛されなければ、孤独になって、倒れてしまいます。どうか、わたしのためだけではなく、すべての司祭のために祈って、温かい手を差し伸べて、応援してください。神様は私たちの弱さを通して、福音の力を現わしてくださいます。
ありがとう: 最後にもっとも美しいことばを使いたいと思います。「ありがとう」。心から感謝します。みなさんと会えて、本当に良かったです。宝塚教会は素晴らしい教会です。本当に私たちは恵まれています。今はすべての疲れ、悩み、ストレスと不安を捨てて、学んだことに感謝して、前に向かって歩き続けたいと思います!

 悲しみと寂しさを乗り越えて、残っている時間を過ごしましょう。予定が変わらなければ、復活祭に私の最後のミサをします。次の月曜日にヴィアンネ館に行って、4月の終わりに帰国するつもりです。みなさん!元気に頑張ってください。スペインか日本でまた会いましょう!

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