カトリック宝塚教会
カトリック宝塚教会月報 2010年1月号
降誕祭―世の中心への旅!―

主任司祭 パスクアル・サオリン・カマチョ神父


降誕祭(クリスマス)はイエス様の誕生日と言われていますが、イエス様がいつ生まれたのかを誰一人知りません。
12月25日はローマ帝国の光の祭りの日でした。
この日から夜の時間が短くなって、昼の時間が延びるわけです。
キリスト教は、神様が人間になることの神秘を祝うために、その日付を選びました。
実は降誕祭は、神様が私たちとともにいてくださる神秘を示します。
私たちにはその神秘を味わう期間が約2週間あります。
それは12月24日の夜(クリスマスイヴ)から1月3日(主の公現)までです。
その間いろいろな祝日があり、その中でお正月は一番有名です。
しかし、私たちは市民として皆とお正月を祝っても、クリスマスの雰囲気を失ってはいけません。
降誕祭はキリスト教にとって、とても大事な時です。
ある程度聖週間と結ばれている時だと思います。
馬小屋の飼い葉桶に生まれる子どもは十字架で死ぬ私たちの救い主です。
つまり、飼い葉桶と十字架はつながっている道具です。
飼い葉桶は差別の道具、十字架はねじれの道具です。
けれども神様はこの二つの道具を通して、私たちとともにいてくださることを教えてくださいました。
人間は差別を受けても、苛められても、すべての人に捨てられても、一人ぼっちではなく、神様がいつもそばにいてくださることが分かって、慰めと希望を見つけます。
神様が人間の肉を完全に受けなければ、人間は神様の救いを本当に受けることができません。
飼い葉桶は私たちの心のシンボルです。
飼い葉桶は汚いのに、神様はそこまで来てくださったのです。
こうして神様は私たちの心に生まれることができます。
汚れた心の中にでも、清らかでない心の中にでも。
神様は私たちの暗闇を照らすために、来てくださいます。
クリスマスイヴだけではなく、25日の朝から夜まで降誕祭ですので、平日に働きながらでも、ゆっくりキリストの誕生を眺めましょう!
イエス様は飼い葉桶に生まれることができたので、どんな事務所、作業場、工場にでも生まれることができます。
そして、クリスマスの次の日曜日は聖家族の日です。
その日に、聖母マリアと聖ヨセフに感謝して、私たちの自分の家族のためにも祈りましょう。
最後に、1月1日は神の母聖マリアの日です。
その日に“明けましておめでとうございます”と挨拶するとともに、マリア様のことをも心に留めましょう!
マリア様は母の苦しみで、人間の暗闇の中に希望の光を与えます。
マリア様は明るい女性で、元旦の光ではありませんか?
この祝日を味わって、初めから最後まで素晴らしいクリスマスを過ごしましょう!
できれば家族が集まる時、例えば、食事の前に簡単な祈りをしてください。
「聖書と典礼」を使って神様の言葉を読んだり、クリスマスの歌を歌ったり、主の祈り、または聖母マリアへの祈りを祈ったり、家庭のクリスマスの雰囲気を作りましょう!
宣教のためだけではなく、私たちの心のために、神様の誕生を感じるために、良い方法だと思います。
では、みなさん、素晴らしいクリスマスを過ごしましょう!