カトリック宝塚教会 月報 巻頭言  カトリック宝塚教会のロゴ

2022年 11月号
「死者のためのお祈り月」
グエン・シン・サック神父

   カトリック教会は、この11月は、諸聖人の日で始まり、今月を諸魂の日、煉獄の魂のための祈りの月と定め、常々以上に亡くなったひとのために祈ります。

 死者のために祈る習慣は、旧約聖書にそのルーツがあります。「旅する人々の教会は、イエス・キリストの神秘体全体のこの交わりをよく認識し、キリスト教の初期の時代から、死者の記念を深い敬愛の心をもって尊び、“罪から解かれるよう死者のために祈ることは、聖であり健全な考えである(マカバイ書)” として、死者のための祈願をもささげてきました。」死者のための私たちの祈りは、死者をたすけるだけでなく、死者がわたしたちのために執り成すのを有効にすることができるのです(cf.カトリック教会のカテキズム)。

 その考えに基づいて、何世紀にもわたっての伝統の歴史がありますが、ミサの祭典にとりいれられ、11月2日に祝われはじめたのは、988年〜1030年頃に、ベネディクト修道会とカルトゥジオ修道会で始まったとされています。

 私(サック神父)のお里、ベトナムでも、カトリック教徒はこの月を非常に重視しています。各家族は、いつも以上に、愛する人の墓を掃除し、なくなった人のために祈り、善行を行い、本免償を受ける努力をします。

 煉獄は清めの場所のイメージですが、煉獄は、神が人々への愛を表現する場所でもあると、私たちは、信じています。それは、神の無限の憐れみは、神の公正な裁きよりも大きいゆえに、煉獄の霊魂のための祈り、つまりわたしたちの“友のためにするいのり”が、煉獄にいる霊魂の助けになると考えられるのです。

 また、私たちは人生を一人で歩むのではなく、カトリック教会の共同体にいるすべての兄弟姉妹と共に歩みます。
「わたしたちはキリストをしんじる全ての者、すなわち地上で旅する者、自分の清めを受けている死者、また天国の至福に与っている者たちが、皆共に一つの教会を構成していることを信じます。また、この交わりにおいては、神と聖人達があわれみ深い愛を持って私たちの祈りに耳を傾けていることを信じます」(cf.カトリック教会のカテキズム)。

 したがって、広い意味での教会は、地上の“巡礼教会”、天国の“勝利の教会”そして、苦しみがあると考えられている煉獄の“浄化の教会”の3つの要素から構成されているのです。私たちは、キリストの模範と土台に基づいた、最大かつ最も効果的な支援を受けており、それが私たちを召し出された方と私たちを結びつけています。頭はキリストご自身です。 「キリストの中にあり、キリストを通して、神の子供たちのそれぞれの人生は、キリストの神秘的な体の精神的な一致において、他の兄弟姉妹と奇跡的に一致し、単一の体になります(cf.1967年1月1 日の教皇パウロ 6 世の使徒的勧告免罪(Indulgentiarum Doctrina)。

 したがって、この11月には、私たちは死者を偲ぶだけでなく、いつもよりももっともっと、彼らのためにミサにあずかり、祈り、犠牲を捧げ、友のために自分を捧げる気持ちが求められます。それは贈り物であると同時に、クリスチャンとして愛を表現する機会でもあります。

 その結果、これらの行為を通して、私たちに対する神の偉大な愛のなかでひとつになることを、更に知ることができるのです。その恵みは、それを受け取る準備ができている人に常に開かれています。


 

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