カトリック宝塚教会  教会報「よろこび」  巻頭言  カトリック宝塚教会のロゴ

2018年 ご降誕号
「あなたがたのために救い主がお生まれになった」
(ルカ2:11)

主任司祭 カレンガ神父

   世界各地で人々は今、クリスマスの準備で追われています。司祭のわたしもこの時季になるとクリスマスメッセージを考えるようになります。恒例でクリスマスメッセージを頼まれるところや、所属する小教区のためにクリスマスメッセージを伝えることになっているからです。
 クリスマスは毎年やってきます。読まれる聖書の言葉も同じですが、その味わいは毎年同じではないと思います。わたしたちは皆、生きて行く中でいろんな「クリスマス」を体験します。例えば「楽しいクリスマス」、「静かなクリスマス」、「つまらないクリスマス」、「寂しいクリスマス」などです。ですから、その祭りの意味を繰り返し明確にすることは大切な働きだと言えます。永遠に変わりを知らないクリスマスメッセージからその意味を考えてみましょう。

 「今日、ダビデの町であなたがたのために救い主がお生まれになった(ルカ2:11)。」
歌われる詩篇では「遠く地のはてまですべてのものが神の救いを見た」とあります。

 それに関連して、最近、バリアフリーと言う言葉を耳にします。バリアフリーをめざす取り組みも徐々に見えて来ているように思います(建物、乗り物など)。教会の中では排除Zero キャンペーンの取り組みが行われています。
 クリスマスはバリアフリーと排除Zeroキャンペーンの一つの形ではないでしょうか。クリスマスは宗教、年齢、性別などを超えて多くの人に祝われ、多くの人をよろこびで満たしているようになっていると感じています。しかし、この「よろこび」は、未だ不完全(一時的か一部の人が味わうか)なものです。イエス様が約束した喜びには程遠いのです。
 「わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない(ヨハネ16:22)。」

 私たちが祝っているクリスマスが、完全なクリスマスに近づかせてくださることを祈りたいと思います。完全なクリスマスとは、すべての人に、そして、いつもいつまでもよろこびを与えるクリスマスです。
 毎日がクリスマスとなることを、イエス様は望んでいます。ひとりでも多くの人が、クリスマスの「よろこび」クリスマスの「救い」を味わうために、教会内外の取り組み(バリアフリーと排除ZEROキャンペーン)を形だけで終わらせないことが大切でしょう。
 「あなたがたのために救い主がお生まれになりました。」という天使たちの呼びかけに元気をもらった人たちが、いろんな違いを超えて手を取り合って一緒に生きていこうとする所に、いつもいつまでもクリスマスがあります。あなたもそんなクリスマスの作り手となってはいかがでしょうか。

 

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